今回は、“ロクイチ(6月1日)報告“と言われる、「高齢者雇用管理報告書」と「障碍者雇用管理報告書」に焦点を当て、その具体的な解説をお伝えします。

高齢者や障碍者を雇用するにあたって、企業がどのような取り組みを行っているのか、報告書を通じて明示する必要があります。高齢者雇用管理報告書は高齢者の雇用状況や支援策をまとめたものであり、障碍者雇用管理報告書は障碍者の雇用促進やバリアフリー環境の整備に関する報告書です。

【高齢者に関する報告】 高齢者雇用管理報告書(高齢者雇用状況報告書)

高齢者雇用管理報告書は、毎年6月1日から7月15日までに提出される報告書です。対象は雇用者数31人以上の事業所で、60歳以上の従業員の雇用状況や配置状況などが報告されます。報告書は、本社を管轄する公共職業安定所(ハローワーク)などの関係機関に提出されます。

この報告書は、高年齢者雇用安定法に基づいて、企業が高齢者の雇用状況を報告するための文書です。毎年提出する義務がある企業が作成します。

報告書には、以下の具体的な情報が詳細に記載されます。

  1. 高齢者の雇用状況: 高齢者の数や割合、雇用形態(正社員、契約社員など)などの情報が含まれます。企業は、高齢者の雇用率や雇用形態のバランスを報告することが期待されます。
  2. 雇用部門と職種: 高齢者がどの部門や職種で働いているのかを報告します。例えば、製造部門、営業部門、管理職など、具体的な部門や職種の情報が含まれます。
  3. 高齢者雇用に関する施策: 企業が高齢者雇用を促進するために実施している具体的な施策や取り組みが報告されます。例えば、キャリアカウンセリング、再雇用制度、健康管理プログラムなど、高齢者の雇用継続を支援するための取り組みが含まれます。
  4. 高齢者雇用の推進活動: 企業が高齢者雇用を推進するために行っている活動や取り組みが報告されます。例えば、高齢者向けの職業訓練プログラム、地域との連携活動、雇用イベントの開催など、高齢者の雇用機会を広げるための活動が含まれます。
  5. 雇用継続と退職支援: 高齢者の雇用継続や退職支援に関する情報が報告されます。例えば、定年延長制度、フレキシブルな退職制度、再雇用支援など、高齢者の働き方や退職に対する支援策が含まれます。

これらの情報は、高齢者雇用の実績や取り組みを透明化し、企業が高齢者の雇用を適切に管理し、より良い雇用環境を提供するために活用されます。また、報告書は社会に対して開示されることで、企業の高齢者雇用の取り組みが評価され、他の企業にも良い実践例が広まる。フォームの始まり

 

報告書の目的は、企業が高齢者の雇用を進めるための情報を提供し、高齢者雇用の実施状況を透明化することです。報告書を通じて企業は課題や改善策を把握し、高齢者への雇用機会の創出を図ることが期待されています。

報告書は、本社を管轄する公共職業安定所(ハローワーク)等に毎年7月15日までに提出されます。また、報告書は一般に公開され、企業の高齢者雇用の実績や取り組みが社会に対して開示されます。

【障碍者に関する報告】障碍者雇用管理報告書(障碍者雇用状況報告書)

同じく障碍者を雇用している企業は、毎年6月1日から7月15日までに提出する報告書があります。この報告書は、雇用者数が43.5人以上の事業所が対象で、障碍者の雇用状況や配置状況などを報告します。報告書は本社を管轄する公共職業安定所(ハローワーク)などの関係機関に提出されます。

障碍者雇用管理報告書(または障碍者雇用状況報告書)は、企業が障碍者の雇用状況を報告するための文書です。この報告書は、日本の障碍者雇用促進法に基づいて、障碍者雇用の実施状況を毎年提出する義務がある企業によって作成されます。

報告書には以下のような情報が含まれます。

  1. 雇用者数と比率:報告書では、企業が雇用している障碍者の人数と、総従業員数に対する障碍者の比率が記載されます。これにより、企業の障碍者雇用の状況や取り組みの大まかなイメージを把握することができます。
  2. 雇用形態:障碍者の雇用形態(正社員、契約社員、パートタイムなど)が示されます。これにより、企業がどのような雇用スタイルで障碍者を採用しているのかを理解することができます。
  3. 雇用部門と職種:報告書では、障碍者が働いている部門や職種が明示されます。例えば、製造部門や営業部門などの具体的な部門や、技術職や事務職などの職種が報告されます。
  4. 雇用状況の変化:報告書では、過去年度と比較して障碍者の雇用状況に変化がある場合に報告されます。これにより、企業の取り組みの成果や課題を把握することができます。
  5. 施策と支援制度:障碍者の雇用に関する具体的な施策や利用している支援制度が記載されます。例えば、バリアフリーな職場環境の整備や障碍者への職業訓練プログラムの提供など、障碍者の雇用を促進するための取り組みが報告されます。
  6. 推進活動:報告書では、企業が障碍者雇用を推進するために行っている活動や取り組みが報告されます。これには、障碍者雇用に関する啓発活動や地域との連携などが含まれます。

報告書の目的は、企業が障碍者の雇用を進めるための情報を提供し、障碍者雇用の実施状況を透明化することです。また、報告書を通じて企業は障碍者雇用の課題や改善策を把握し、障碍者への雇用機会の創出を図ることが期待されています。

報告書は本社を管轄する公共職業安定所(ハローワーク)に7月15日の期限までに提出します。また、報告書は一般に公開され、企業の障碍者雇用の実績や取り組みが社会に対して開示されます。

障碍者雇用管理報告書には、さらに詳細な情報が含まれることがあります。具体的には、雇用されている障碍者の種類、雇用計画や目標、雇用支援・配慮措置、雇用の継続とキャリア開発、成果と課題などが報告されます。これらの情報は、障碍者の雇用状況や企業の取り組み方針をより詳しく把握するための重要な要素です。

障碍者雇用管理報告書は、障碍者の雇用を進めるための重要な手段であり、企業の社会的責任とも関連しています。報告書を通じて企業は、自身の取り組みを公表し透明性を確保すると同時に、課題や改善策に取り組みながら障碍者への雇用機会の拡大を図ることが期待されています。

高齢者雇用管理報告書と障碍者雇用管理報告書についてご報告しましたが、企業としての社会的な責任を果たすだけでなく、多様性と包括性を推進することで、より強い組織を築き上げることを目指すべきと考えます。高齢者の方々や障碍者の方々は、企業にとって貴重な人材であり、それぞれが持つ能力や経験は無限の可能性を秘めています。その可能性を最大限に引き出すために、柔軟な働き方や適切なサポート体制の整備に努めることで、職場での多様性が豊かな成果を生むことと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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